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鏡にうつる猫

主人が禁煙して10日がたちます。

ずっと禁煙して欲しくて、強く禁煙を求めたこともあったし、ぐちぐち言い続けた時期もあった。

いろんな方法を一方的にすすめた事も、諦めてた時期もあった。

結局、周囲が色々言ったりやったりしてもあんまり効果はなくて、本人しだい。

 

以前、ある方のこんなブログを拝見して思ったこと。

 

人からの教えは、

例えそれが「なるほど!」と納得できることだとしても、

頭では分かるのですが、そのことが要因で行動が変わることは少ないな・・・と

例え、それが自分のことを思ってのアドバイスだとしても、人は自分の「こうだ!」という考え(自己概念)を変えることがなかなかできません。

自己概念でつくられている自分。

自己概念を変えることは、自分自身を否定することと捉えてしまう方が多いからだと思います。

 

産業カウンセラーの勉強をしている時に「アドバイスをするでもなく、相談にのるでもない。人の話に耳を傾けるだけで、本当に問題を解決に導けるのか半信半疑だ」
そんな会話を良く耳にしました。

 

様々な療法や理論がありますが、産業カウンセラーの講座で柱として学ぶのは「来談者中心療法」

“傾聴”が基本になります。

その理論の根底に流れているものは、

「人は誰でも、自ら自己を成長させ、実現する力を持っている」「カウンセラーがクライエントの気持ちを受容し、共感的に理解することで、クライエントは自ら望ましい方向を発見し行動する」というものなのです。

そこで、

アドバイスしたり方向を指し示したりしないで、ただ話を聞いてるだけで、 人は変わるんだろうか?何だか腑に落ちないといった思いが芽生えるようです。

 

では、こんな時あなたならどうでしょう。

人から「最近太ったんじゃない?」と言われた。

自分で鏡をみて「何だか顔が丸くなってるなぁ」と感じた。

どちらでウエイトコントロールをしようと感じますか?

人からの指摘には「そんなことない!」と反応しがちですが、自分で気づくと「ちょっと食事に気を使ってみよう」となる方が多いのではないでしょうか。

 

カウンセラーのすることは、クライエントの鏡になること。

アドバイスするのもなく、相談にのるでもない、

ただただ「受容」し、「共感」し、「自己一致」する過程でクライエントの姿を可能な限り正確にそのままの形で、映し出してあげることだと考えます。

 

技法のひとつに【明確化】を例にあげてみましょう。

*明確化とは、クライエントが体験しているが、はっきりとは意識化されていない感情をカウンセラーが感じとり言語化すること

 

クライエントは鏡に映った自分の姿(現状の自分)がぼんやりとしか見えていません。

応答の中の「明確化」は、クライエントが鏡に映る自分の姿をくっきりと見えるように眼鏡の度数を調整してあげるような作業のように思います。

なんだかぼんやりとそう感じてはいるんだけど、それが何か良く分からないことをそのままの姿をみえるように映す鏡になることで、クライエントが自らの姿を自分でとらえて行動に移すことができるようお手伝いしてあげる。

 

口元にご飯が付いている人に

「ご飯がついてるよ」と伝えるのではなく、

(「あなたから見て右側の下唇の下のあたり」など具体的についてるとこを教えて本人に取らせるは、言ってみればコーチング)

 

ご飯をとってあげるのでもなく、

自分の口元にもご飯をつけてみせることで、相手が自分の口元のご飯に気づくことを促す。

このように捉えると、「ただ聴いているだけで解決に導けるんだろうか?」という疑問は少し解消されるのではないでしょうか。

 

人間って本当に頑固です。

自分が心の底から「そうと思えること」にしか反応できません。

 

「自己概念」って言ってみれば自分そのものですから、助言、注意、アドバイス等等されたとしても、時として「自己否定」されたように捉えてしまいがちです。

年を重ねるほど、この「自己概念」は強固で、柔軟とは決して言い難いものになっていきます。

そして、自分は「そんなことない」と思っている人ほど、実際はとっても頑なだたりします。

 
最後に

「自己の気づき」

これを得るためには、大きく分けて2つの方法があります。

自ら鏡を見る

人に鏡になってもら

 

あなたは

「自ら鏡をみることをしていますか?」

「鏡になってくれる人はいますか?」

「その鏡を素直に受け止めらていますか?」

 

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