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セカンドオピニオン母の病気は悪性リンパ腫の中で最も多いタイプの「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」でした。

ただ、生検をする前、まだ「リンパ腫」とだけ分かっていたころ、診断が確定したらどのような治療をどの病院で行っていくことがベストなのか、自分にできることはないかを模索していました。

30以上の種類があると言われる悪性リンパ腫。

珍しいタイプの細胞だったとしたら、実績の少ない病院よりも、多い病院の方がその細胞に対する治療経験がある可能性が高いですし、治療方法もある程度確立されているのではないかと考えていました。

そこで、できる限りのことを調べて、セカンドオピニオンをする決断をした時の準備をしておこうという結論に至りました。

セカンドオピニオン

セカンド・オピニオン: Second opinion)とは、よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求める「意見」、または「意見を求める行為」のことである。  ウィキペディアより。

最近少しずつ耳にする機会も増えた言葉です。しかしどういう手続きを踏めばよいか、その具体的な方法はあまり知られていないように思います。

主治医にセカンドオピニオンを受けたいと言えばいいのか?
主治医の機嫌をそこねるのではないだろうか?
話を聞きに行きたい病院に直接行けばよいのか?

実際、母たちもどうしたらいいの?と困惑していました。

多くの病院は「セカンドオピニオン外来」を設けているので、まずは意見を聞きたい病院のホームページでセカンドオピニオンの手続きを確認するのが確実です。

セカンドピニオンを依頼する際の流れはどの病院も同じだと思っていましたが、病院によって決まった書式を用意しているところもあったり、なかったりします。

■基本的な共通点
・セカンドオピニオン外来は検査や治療は行わないため、主治医からの情報が必要
・セカンドオピニオン後は元の病院に戻る
・セカンドオピニオン後、セカンドオピニオンを受けた病院での治療を希望する場合は、改めて治療を希望する旨の紹介状が必要

■必要なもの
・主治医作成の紹介状(診療情報提供書)
・「検査結果」や「画像診断のフィルム(CT、MRI、レントゲン等)」
・セカンドオピニオン外来申込書(病院によって決まった書式がある)
・相談同意書(患者本人が来院できず、ご家族だけでご相談を受ける場合必要)
・保険証
・お薬手帳

主治医から直接セカンドピニオンを受けたい病院に申込用紙をFAXしてもらうような手続きをとっている病院もあります。

■費用
治療ではないので自費です。
30分まで10,800円、30分以上12,600円が基本的ですが、病院によって異なります。因みに母の入院していた大学病院は、教授か准教授かで費用が異なっていました。

 

セカンドオピニオンを受けるまでも時間がかかります

セカンドオピニオンは基本的に完全予約制です。

そして、申し込みから相談日まで7日~10日の日数をみてくださいと書いてある病院も多くあります。申し込んだらすぐに意見を聞けるわけではないのです。今日、明日行けば診てもらえる病院と同じように考えると驚いてしまうかもしれません。実際、私は「え?そんなに?」と思ってしまいました。

セカンドオピニオンをお願いしてから、早くても○週間かかる。

これを考えても、さて、セカンドオピニオンを考えましょう。それから、どの病院がその病気に強いか調べましょう。そこから情報収集を開始。とやっていては、ステージ4などの場合厳しいものがあります。

 

可能な限り早くセカンドオピニオンを受けるには

癌細胞は時間の経過とともにどんどん増えていきます。よほど早期発見でない限り、できるだけ早く治療を始めることが大切です。ただ、病院によって得手不得手があるのも事実です。

可能な限り早くセカンドオピニオンを受けるためにと考えついた結論は、病気の目星をつけ、その病気に強い病院を見つけておくことでした。
目星をつけるといっても、素人がネット検索して病気がわかるなら苦労しません。目星をつけたところで当たっていないかもしれません。しかし、当たっていれば、診断が確定したところですぐに動くことができると考え、夜な夜な情報収集をしていた訳です。

 

実家の近くで治療実績の多い病院は?

全国病院別治療実績(悪性リンパ腫)

悪性リンパ腫に関しては2014年度の実績で広島赤十字・原爆病院が全国第2位。公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院が全国第9位でした。

一時は山口の隣の県の広島も候補にあげ、病院近くのウィークリーマンションを借りて父がお世話をしに通うというという話も出ました。ただ、悪性リンパ腫の治療期間は化学療法が6~8クールと言われ、半年はかかります。年金暮らしを考えると、ウィークリーマンションを借りるというのは現実的なのか。
現在香川県に住んでいる私が比較的通いやすい距離の倉敷中央病院はどうか。父には半年間香川県に来てもらい、母のお世話をするときは、ドアtoドアで片道約2時間通ってもらう(高齢なので車の運転は心配ということで電車移動で検討)ことも考えました。

 

一番近い大学病院へ入院

結果的に、悪性リンパ腫の中では一番多い細胞のタイプであることがわかり、近くの大学病院へ入院しました。しかし、もし、珍しいタイプの細胞であることが確定していたら、おそらく、倉敷中央病院にセカンドオピニオンを依頼していたのではないかと思います。

12月中旬に「年末は家で過ごすことになった。入院は年明け、5日か12日」という話でした。主治医からの説明がほとんどなく、とりあえずベッドがあいてないと入院できないから手続きをして帰ってくださいと言われたのが、12月25日。

病気のことや病状について、ほとんど説明のないまま入院の手続きだけして帰るように言われて不信感の生まれた両親は、妹のすすめで「がん相談支援センター」に相談しました。

支援センターの職員さん経由で主治医に連絡が入り、1時間くらい病状の説明などがあったそうです。そこで、生検の結果が出るのが年明けになる。生検結果は出ていないかもしれないが、早めに入院し、早く治療に入ったほうが良いと言われたといいます。

その場では生検の結果も出ていないし、結果が出てから、12日の入院で良いと思っていたようですが、年始を迎える間にも腫瘍による胸と胸の間の膨らみは日増しに大きくなっていったようで、不安が増大した母はベッドの空きがあれば、5日の入院を希望する旨を4日に連絡し、年明け早々入院するに至りました。

 

納得のできる治療

生検の結果が分かり次第、セカンドオピニオンをしようと書類等の準備をしていましたが、母は父と相談した結果、家から近い大学病院での治療を選択しました。もし、治療をはじめて、うまくいかないようであればその時セカンドオピニオンを考えるとのことでした。

生検の結果が出る前に、飲み薬の治療をスタートし、しばらくして出た生検結果は「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」でした。

症例数の少ない細胞であれば、倉敷中央病院を強くおしていたところですが、母の治療。母が納得できるところでするのが一番であること。ただでさえ辛い抗がん剤治療です。できるだけ環境の変わらないところで、父がすぐにお世話にいけるところで治療するのが良いのかな。と今はその経過を見守っています。


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